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旧東海道『赤坂紅里』交差点のすぐ西を左に入ると、浄土宗寺院の浄泉寺がある。
寺伝によれば浄泉寺は、もと宮路山医王院浄泉寺と称した寺院で、赤坂町西裏の薬師如来坐像(市指定有形文化財)を本尊としていたという。その後寺は衰えたが、京都誓願寺の善誉上人(長沢の松平親常の三男である市蔵正長の弟)が、老齢になり故郷に帰住するに際し、浄教寺を隠居寺として再興しようと考えたが境内が狭いので、天昇16(1588)年に兄の市蔵正長の旧邸内に寺を建立し、浄泉寺を興したという。またこの時に、本尊を阿弥陀如来像にして浄土宗に改め、薬師如来坐像は別に薬師堂を作って安置したといわれている。
山門を入ってすぐ右手にある薬師堂の外陣の天井には、市指定有形文化財の鰐口(わにぐち)が吊るされている。江戸時代には、赤坂宿本陣がすぐ近くのところにあったため、本堂横にあった茶室に旅の途中の大名が立ち寄ったといわれている。
境内には大きなソテツの木があるが、歌川広重の浮世絵「旅舎招婦ノ図」に描かれたソテツと伝えられている。
「豊川の歴史散歩」(豊川市教育委員会編)より
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